~Last Element~ ラスト エレメント
見知らぬ男性
「ここは一体…?どこ?」
私は、まさに異世界と言うのにふさわしい所に立っていた。
美しいファンタジー世界とはまるで違う。
私には、まるで朽ち果てた日本の姿に見えた。
それも東京に。
建物全部が、壊れて崩れてしまいそうな状況だった。
東京タワーみたいなのも半分折れ曲がっているうえに、国会議事堂に似たような建物も半身を失った姿へと変わっていた。
「何これ……」
私は状況がまるで読み取れず、ただ呆然と立っていることが精一杯だった。
「おい!君、そこでなにしてる!」
後ろから、声がハスキーな男性の声がした。
私は正気に戻って、その男性の方向へ体の向きを変えた。