春のあなたへ
嗜虐嗜好では決してないけれど私は見えなくなった彼の背中を目に焼き付け明日がとても楽しみになった。


「那月何してるの? 体が冷えるから早く戻ってきなさい」

予想した通り母が呼びに来た。

「はーい、お母さん」

私はにっこりと笑顔を作ると振り返り返事をしてレストランの中に入っていった。

今夜は本当に星がよく見える。
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