タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
私の言葉に「それならずっと丸付けしていてくれれば良いのに」とルナがぼやいていると、開けっ放しのドアから、先生が歩いてくるのが目に入った

『先生遅れたんだから、少しは急ぐふりくらいはしようよ…』と心の中で思いつつ先生の手にある大量のプリントを見て「やっぱりそうか」と確信する


「悪い、丸付けしてら遅れた…」


と詫びながらプリントを教卓に置くと、先生は疲れたように言った


「でも、ちょっと言い訳していい??」


と、これだけは言わせてくれと続ける


「間に合うはずやってんで!?なのに、あれ、業間体育とかいうやつ、あれがあるから間に合わんかったんや…」


とりあえず言い訳をして気がすんだのか、少し間をおくとテストを返し始めた
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