タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
「『恋の好きがどこからか』って話したの覚えてる?」

「覚えてる」


少しずつ、少しずつ

その想いを確かめていくように


「私ね、この気持ちが分からないんだ。ミサトが言った事が、あの人に当てはまるの。でも、…」

「でも?」


サキは私の言葉をゆっくり待ってくれる


「私ね、あの人が好きだよ?でも、この気持ちは、皆が『好きでしょ!』て言ってるからなのかな?とも思うの。尊敬しているとずっと思ってたからよけいに」


名前を言わずとも、サキは分かってくれていた


「だいたい、何であの人なのかな?何で一回りも離れた人の事をこんな風に考えてしまうのよ。分からないの、自分の気持ちなのに」

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