タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
玄関でまず空気がいつもと違う事に気づく

なんだか忙しない

そして、いつもならこんな時間に帰って来ない父の靴が玄関にある

不思議に思いながらリビングに行くとそこで父と遭遇した


『なんだか慌ててる?』


そう思っていると、父の口からよく分からない事を言われた


「ちょっと、お父さんとお母さんとうぶん帰ってこられへんとおもうわ」


突然で理解がしがたい

コメントに困っていると父は続けた


「西宮のおばあちゃん入院する事になってな、もうお母さんはあっち行ってるし、今からお父さんも行くから」


待って、意味が分からない…

しかし、父は考える時間すら私に与えず、母の荷物に関する事を私に聞き始める

歯ブラシ、コンタクトレンズ類、使い捨てシャンプーetc...

それらの用意を手伝いバタバタと父は出て行った
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