タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
「ふぅーん」と言いながら、私は先生が黒板を消しているのを見ていた

ふと、ここで会話が途切れたことに気づいた

まだ話していたかったのと、焦りからだろうか

私は今までの話とは全く脈絡のない事を尋ねた



「先生…、先生って甘いもの好き?」

「なんで?」



その瞬間、気のせいか空気が変わった気がした


「いや、何となくです…」

「………、いやあんまり好きじゃないかな…」
「そ、そうですか。それじゃあ、ありがとうございました」


私はそう言うと教室から逃げるように立ち去った


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