タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
私はこの日、焦っていたのだ

先生へのプレゼントを何にしたら良いか分からず、情報集めをしたかったのだ

しかし、初めて先生のあんな空気を感じて焦った

それが、私が勝手に感じた空気なのか、それとも本当に拒絶された空気だったのかは、定かではなかったのだけれど…



家に帰ると、今日は母が久々に帰っていた

そういえば、今日はおばあちゃんの手術の日だったはずだ

しかし、母から聞かされた話は少々緊迫した内容なのに、母は落ち着いているように見えた


「手術ダメだったわ。手術しようとしたら、結構広がってて、体力的にも無理だから開いて閉じただけだったわ」


そのあまりにも普通の口調に、私は病状がどこまでひどいのか想像できなかった

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