タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
翌朝、制服に着替えて私と弟はお葬式の行われる西宮へと向かった

西宮へは軽く2時間ほどかかる

電車に揺られながら「今頃1限目の模試が始まっているなぁ」と思ったころ、目的の駅に着いた

そこから少し歩き、私たちは目的地に辿り着いた

控室のようなところに通されると、そこには久々に見る父と母、母のお姉さんがいた

他にも遠い親戚みたいな人もいるが、私は会った事のない人ばかりだった


「遠かったやろ」


母にそう言われながら、私と弟は中に入って畳に腰を下ろした


「おばあちゃんの顔見とく?」


唐突に投げかけられた言葉に、私は思い切り首を横に振った

弟も「いい」と私に続いて断る

おばあちゃんに感じた気持の後ろめたさから、私はおばあちゃんの顔を出来れば見たくなかった

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