タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
「サナエちゃん、何で推薦受けたいの?」


彼女は少し間をおくと、私が予想していた言葉を紡ぎだした


「どこでも良いから、早く合格したいから…」

「でも、迷ってるんでしょ?ちゃんと迷っている理由があるんでしょ?」


黙りこんでいる彼女の次の言葉を待っていたが、中々発せられる様子がないので、私から話を進めていく


「本当は、本当に行きたい学校があるんじゃない?」


それを聞いた彼女は、「ある…」と小さく呟いた

『それが迷いの正体か…。さて、ここからどうしようか…』

悩む理由が分かっても、この時期のこの内容はナイーブな問題なのだ

さてと…

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