タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
10月に入りかけた頃、推薦の結果が出る日がやってきた

推薦してくれると決まった瞬間に、指定校推薦は受かったも同然となる


『宝くじは当たらないわな~』


という気持ちで家で過ごしていると、突然担任から電話がかかってきた


「あ、水瀬か?推薦してもらえる事になったから」


最初、担任が何を言っているのか分からず、ただ「はい……、はい」と担任の言う言葉に頷いていた

母親に代わり、電話が終了して、少し落ち着いてからも、両親は喜んでいるけれど、全く実感がわいてこなかった

むしろ『こんな軽い気持ちの私が、推薦受けちゃって良いのかなぁ』という気持ちの方が勝っていた

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