タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
推薦書を書き終わり、それからの2週間ほど私は、ひたすら数学の勉強に勤しんでいた

受験が終わったも同然ということで、好きな教科に没頭していた私は、自然と先生と話す機会も、マリやルナに比べて増えていた

数学の授業は、この頃に入るとセンターの予想問題をするようになっていた

授業で問題をして、放課後に解説を聞きに行くのが私の日課になっていた

休み時間に間違いを直しながら、解説の言っている事が分からないと、喜んでいる自分がいて、自分でも変だと笑った

先生に会いに行ける口実が出来る事がとても嬉しかった

もう、迷う事なんてなかった


私は先生が好き


近くを通ると香るタバコの匂い
真剣に私の質問に答えてくれる所
時々見せてくれる笑顔が私は好きだ

サキの言ったとおり、答えは私の中にあったのだと実感する
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