タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
珍しく初対面の人にタメ口きいているところをみると、どうやら私は緊張していないのではなく、緊張しすぎて可笑しくなっていたようだ

「なんか、皆知り合い同士で来てるみたいだよね。私1人だから話しかけにくいったらありゃしない」
「私も1人です」

『ちゃんと反応返してくれる人で良かった』と思いながら、私は会話を続けた

「どこから来たん?」
「兵庫です」
「兵庫かぁ…。兵庫なら近いから良いよね」
「でも1時間ほどかかりましたよ!」
「1時間なんて全然良いから!!私2時間半かかってるから」
「え!?どこから来たんですか!!」

会話は意外と盛り上がり、私たちはそれから1時間それぞれの高校の話に花を咲かせた

彼女の面接の時間が来て、話を中断させると「また春にね」と言って彼女は立ちあがった

「受かってても、この大きさの学校なら、会えたほうが凄いかも」私の言葉に2人で笑い合うと、彼女は教室から出て行った

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