タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
サナエちゃんが帰った教室で1人外を眺めていた

春でも、まだ7時を過ぎると暗くなるようだ

窓から見えるはずの星が、野球のナイター設備で少し見えにくい

まだ少し肌寒いのに、桜は散り始めていてる

静かな教室で窓にもたれかかって座っていると、誰かが教室の前で立ち止まる音がした

―――ガラガラ

と重い音ともに教室内に入ってきたのは、予想内の人物

目だけドアのほうにやると、そこに立っていたのは先生だった


「溝口はもう帰ったのか。カギ返しに来ないから、まだ話してるのかと思った」


先生なりに心配してここに来たようだ


“どっちを?”



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