タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
タバコはいつも先生を思い出させる香り

大学にいても、街にいても

その香りがする度に顔をあげてしまう自分がイヤになる

だから、先生に会った時、タバコの香りがしなければな、と少し考えていた


「タバコ、高くないんですか?と言うか、あれほとんど税金ですよね…」
「そういう悲しい事スモーカーに言うのやめてくれ」


フフと私が笑うのを見て、先生の空気が少し柔らんだ気がした


「ゴルフは…、ゴルフは上達したんですか?」
「よく覚えてるな…」
「さっき思い出したんですよ。指にバンソーコ貼ってないなぁと思って」


本当は忘れていた事なんかではない

忘れられない事の1つにすぎない

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