タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
これはちょっとしたストーカーのようだと思いつつも、いつもここに座ってしまう自分がいる

鞄を開けてファイルを出し、1枚1枚解き方を確認してはファイルに戻す

先生のテストはほとんど元の問題と数字を変えることがない

だから答えをそのまま丸暗記している生徒もいるようだけれど、それはアンフェアな気がしてしないのが我流

まぁ、そう言いつつも1度は解いてある問題なので、覚えたくなくても、だいたいの数字は頭の中に入っていたりもする

なんだか今日は上の空な感じがし、プリントを出しては入れ、出しては入れを繰り返しているうちに、1時間半はあっという間に過ぎていった



チャイムが鳴ってゆっくりと片づけをし、図書館を出ると職員室の前を通って教室へと向かう

時々ここで先生に会ったりする事がある

それだけの理由で、ここ4カ月ほどここを通っている自分が単純すぎて少し落ち込む

出来るだけ長い間、先生が通るかもしれない2階の廊下を通るために、手前で3階に上がらないで、向こうの階段で上がったり、帰りは先生の教室の前を通ったり……

こうしていると、やっぱり自分にはストーカーの素質があるのでは…と突っ込みたくなる

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