タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
たとえ30分でも、図書館で勉強するのがT高生だ

結果が届いていないといっても、受かっているだろう私は、授業が終われば教室に残るかバス停に行けば良いのだが、皆勉強をしているので私も同じようにする事にしていた

黙々と解くのは、数学の授業の問題のやり直し

解説を見ながら解いていると、突然後ろから担任に声をかけられた


「水瀬?さっき届いたわ!だから日曜に校長と理事長に礼状書いとけよ」


「あ、そうですか」とか「はい、分かりました」と言いながら私は担任を見送ると、イスにもたれかかった

『終わったなぁ』と心の中で呟く

私の受験は今日をもって、確実に終了したのだ

実感がわかなくて、ボーっとしている間に30分はあっという間に過ぎていった


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