タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
数日経った水曜日

現代社会の授業を受けるべく、私は教室を移動していた

渡り廊下に面した階段を下りていくと、向こうから先生っぽい人の姿を確認する

少し速めに階段を下りていくと、ちょうど下で先生と合流する形になった

現代社会の次の授業は数学であるので、私はお決まりのように先生に尋ねた


「先生!今日はテスト返しますか??」


開口一番そう尋ねる私に先生は人の好い微笑みで私の問いに答えた


「ん?今日はテスト返すぞ。にしても、本当に偉いな」
「え!?あ、えっと、それはどういう事ですか!?」


困惑する私にさわやかに笑いながら先生はすたすた歩いて行く

私はすぐ角の教室に入るのでそれ以上は尋ねられなかった


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