タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
現代社会の授業が終わると、次は先生の授業だ

いつもの廊下から2列目、前から2番目の席について、マリやルナと暫しの雑談にふける

チャイムが鳴り先生が教室にやってくると、ざわつきが徐々におさまり静かになる

先生がゆっくりテストを返していく光景も今日が最後となるわけだ

順番にテストを返してもらっていく生徒達を見ながら、感傷的になってる自分が年寄りくさく感じる

私の番がきた

先に返してもらっていたマリが「うわ!最後までおしっ!!」と言っている

微笑ましいような、これでまだ100点が出ていないと嬉しいような、私の点数はどうなのやら、といった様々な気持ちが交差している


「おめでとう」


先生にそう言いわれながらテストを返してもらった私は、驚きつつも席に戻ってゆっくりとテスト用紙を開いた


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