タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
そこに並ぶ100点の数字を見て、はにかむように私は笑った

でも、これで先生のテストを受けるのも最後かと思うと、何だか複雑な気分で胸が痛んだ



「先生、100点何人いたの?」


テスト終了後お決まりの私たちの質問

「お前だけやったなぁ」


意外な一言に驚いて聞き返す


「私だけ?あーちゃんは??」
「あーちゃん?」


いつもは先生に言うときは苗字を呼ぶようにしていたので、慌てて私は言い直した


「あぁ、池上さん!」
「あいつはあかんわ!!ちょっと叱っといてや」
「そんな恐れ多い!!無理無理無理、あーちゃん怒るとか無理」


あーちゃんが100点でなかったなんて、もの凄く違和感がある

しかし、自分だけが100点だったといううれしい気持ちは抑えられない


< 195 / 289 >

この作品をシェア

pagetop