タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
「今日メシ食いに行こっか」

そう市川君に言われたのは相談を受け、片づけを手伝い、やっと教室に帰った時だった

仕事帰り、2人とも車、という事で向かったのは、やっぱりお酒の飲めない和食系のお店

いくらなんでも、この時期だけは飲酒運転なんかで捕まりたくないという私のたっての希望により、何の色気もないここに決まったのだ

さて、なんでこの人が私を誘ったのかは分からないが、断る理由もないので。こうやって彼を目の前に座っていたりする

玉子とじうどんを食べながら視線を上げると、かき揚げうどんを食べている彼が目に入る


この人は一体何を考えているのか……


この人は何だか、良い人なのにイヤな感じがする

きっとこのタバコの香りのせい

この人もタバコを吸っているのだ


< 198 / 289 >

この作品をシェア

pagetop