タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
今まで、日曜以外は毎日会っていた友達と会えなくなる

新しい世界は楽しいかもしれないけれど、私はこの慣れた環境が心地よすぎて手放したくなかった


本当にこのまま時間が止まってしまえばいいのに


そう願っても式はどんどん進んでいく

定番の曲を歌う頃、それはもう本当に式の終盤

頑張って歌おうとしたら、頬に涙が伝っている事に気づいた

堪えて歌おうとすれば、次は鼻が出てきそうになる

本当にカッコ悪いったらありゃしない

目の前には大学生活が迫っている

小学生の頃、高校生は大人だった

高校生になって大学生は大人だと思っていた

そうやって、どこまでも大人だと思っていた人物になると、それが全く大人でなかったと気が付いていくのだろうか


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