タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
1階のほとんど生徒なんて来ることがないこの保健室は、しんどい時には余計にしんどくなりそうな雰囲気をかもし出している


――コンコン


一応ノックしてから部屋に入ると、そこには彼女1人だけがいるようだ

ベッドに寝るわけでもなく、彼女はただ腰かけていた

不思議に思いながらも彼女に近寄った私は、ギョッとした

彼女の目が赤くなって、頬には涙が流れている


「サクラちゃんどうしたの!?」


その声でようやく私がいる事に気づいたらしい彼女は、幼い子供の様に私に抱きつくとそのまま泣き始めた


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