タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
泣く彼女をベッドに座らせ、私も横に腰を下ろした

彼女にハンカチを渡し、泣いている理由を考える

この反応は交友関係か恋愛関係、親子関係、それとも勉学関係?

どれにしろ、話してもらわなければ分からないし、話したくないのかもしれない

黙って彼女の肩を一定の速さでポンポンと叩いていると、徐々に彼女は落ち着いてきた


「う゛~葵ちゃんのスーツが汚れた」


泣きやんできたかと思ったら、もう私に気をつかいだしている彼女に、自分と似ているところを感じる

元々優等生系の風貌に、化粧っ気のない彼女は私と何となく似ている

だから好感を持てたのかもしれない

しかしそれ以前に何か相通じるものがある気がしていた


< 224 / 289 >

この作品をシェア

pagetop