タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
「大丈夫ですよ、これくらい。それより話聞いた方がいいですか?それとも見なかったことにした方がいいですか?」


彼女はゆっくりと間をおくと「聞いてほしい…」と小さく言った


「誰にも言えなくて苦しいの。葵ちゃんなら言って良い気がする」


彼女はゆっくり、時々鼻をすすりながら言葉を紡いでいった

彼女が泣いている理由は

先生に告白して振られたそうだ

この言葉に私は心臓が飛び出すのではないかというくらい驚いた

その時思わず植本先生を思い浮かべてしまう

しかし相手はどうやら違うらしい

でもこの子は、私と同じなのだ

ただ、恋した相手が他の先生だっただけで、相通じるものはここにあったのかもしれない


< 225 / 289 >

この作品をシェア

pagetop