タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
「何もないわよ、ちょっと目にゴミが入っただけだから」


そう言って彼の手を振りほどこうとするが、彼は放してくれない

彼は少し間をおくと、溜息をついて静かに言った


「あいつだろ?お前の担当している教師が関係してるんだろ?」


驚いて彼を見上げると、彼の目から視線を外せなくなった

その綺麗な目に、真剣な目に何も嘘はつけないだろう

そう思って、私は黙った


「お前見てたら分かるって。あいつの事好きなんだろ?」


なおも私はダンマリを決め込んだ


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