タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
「そんなに良い人なら私にはもったいないね」


思ったとおりに彼に言うと彼はプッと吹き出した


「水瀬にはもったいないって言うなら、あいつには水瀬はもったいないよ」


そう言われて赤くなっていると、彼は続けた


「だから、自分の気持ちに正直になれば良いよ。水瀬が嫌なら振ってやれば良いさ。あいつはちゃんと受け止めてくれるよ」

「ほんと優しいね、櫻井君は」


「一樹でいいよ」と言いながら、彼ははにかみながら笑った



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