タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
すっと教壇に立った先生は私を1度ちらりと見ると


「今日から実習にきた水瀬さんだ」


と軽く私を紹介した

後は自分で、というようなアイコンタクトを送り、先生は教壇を私に譲った


「水瀬葵です。K大学に通っています。皆さんと同じT高出身です。3週間ですが、よろしくお願いしますね」


ゆっくり教壇に立ち、いっぱいいっぱいでそれだけ述べると、教壇はすぐに先生に返した

ざわざわと話し声の中に
「先生、硬っ!」
「先生、何歳?」
といったものが聞こえる

先生はそれを上手いこと沈めると、私に後ろに向かうよう言い、授業を開始した

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