タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
「葵、今日は何か珍しく遅くない?」


学校に着くとすでに他のメンバーはそろっていた

それぞれ教科書を開いて勉強している


「ちょっと寝坊」


軽く笑いながら席について市川君の方を見ると、こちらを見ないようにしているのか、顔を上げる様子はない

視線を戻して前を見ると一樹と目があった

彼の優しく笑った顔を見ると、心が少し楽になった気がした


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