タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
無事に授業が終わってホッと一息つきながら私は黒板を消していた

私が後ろの黒板を消している間、先生が前の黒板を消しているのを背中で感じる

すでに皆教室に帰ってしまった教室はとても静かだ

廊下に響く笑い声が聞こえる

どのタイミングで話しかけたらいいか悩んでいると、以外にも先生の方が口を開いた


「今日の授業、よかったと思うよ。おめでとう、今日で実習は終わりだな」


まるで一昨日私が取り乱した事などなかった様な口ぶりだった

このままなかった事にしておこうとしてるのだろうか

それが優しさなのかもしれないけれど、私はやっと固まった思いをちゃんと伝えておかないと後悔する気がしていた


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