タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
教室のドアを勢いよく開けた私は、瞬時にそのドアを再び閉めそうになった

そこには市川君がいたからだ


「いたんだ…」


思わずポツリと心の声が口からでる


「いたよ…。3人は先に飲んでる。彼女らの家に寄って車を置いてから、一樹の車で行くってさ。俺はお前が道に迷わないようにするナビゲーター」


一樹が気をつかってくれたのだと、瞬時に分かった

私は一樹の家に1度行った事があるのだから、迷う事はないはずだ

ちゃんと私が彼に言えるように機会を作ってくれたのだ

ユミらへんは面白がって「2人きりにしてあげよう」とか思ってそうだけれど…


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