タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
いつものように先生は名簿にチェックを入れながら、すらすら生徒をあてていくと教室の後ろまで行き、差し棒をもてあそびながらどこかを見ていた

先生が横を通ると香る、甘い香りに気をとられつつも、私は予習を進めていった


『後ろに立たないでほしいよぉ』


別に私が見られているわけではないと分かっていても、苦手人物に後ろに立たれるのは気が散ってしょうがない

少しすると黒板とにらめっこしている生徒の所へ、先生は向かっていった

授業時間が残り30分を切ったので、その問題は先生が解説することになり、他の問題の答え合わせを軽く解説を入れながら始めだした

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