タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
『先生でも分からん時あるんやな~。しかもあの慌てよう…』



教室に帰る準備をしながら教壇に目をやると先生は1人で納得したように


「そうか…」


と呟いていた



今考えると、これをきっかけに私は先生と話しやすくなっていた

物事のきっかけというのは、非常に単純で他人には理解しがたいものもあるようだ


あの授業以来、私とルナ、マリの間で先生の話が結構出てくるようになった


というのも私が会話に出してくるからだ


前から出るには出ていたが、私の口癖は


『植本先生、どこまで本気か分からんから怖いやん!』


だった


しかしあの出来事から一変、私の口から先生が怖いなんて言葉は出なくなっていた

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