タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
「実習に来てるんだから1人の世界に入るなよ…」


と注意されてしまった


「そんなにヒマなら俺と同じように生徒の質問に対応してやって」


その言葉に『やっぱ、そういうこともしなきゃだよね~』と心の中で思う

塾講を始めて、人見知りがマシになったとはいえ、改めて現場で教えるというのはまたちがうところがある

だいたい塾講の時は答えが手元にあったりするから、焦り具合が違う


「水瀬にも回ってもらうから、質問あるやつは俺か水瀬にしろなー」


気づくと勝手にそんなことを言っている


「先生、それって自分が楽したいだけじゃ…」
「そうとも言えるし、可愛い教え子のためだとも言える」


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