タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
「葵って植本先生ほんと好きだよね~」


そう言いだしたのはユミだった

「だってあんだけテスト頑張るくらいだし…」

半ばあきれ気味、でも面白そうに言う

今までなら「好きやで~♪」とか、自分から「植本先生好きやもん」とか言っていたのに、なぜか今日はそんな風には言えない


「な、違うもん!」


そう言いつつも顔が熱くなってくる


「葵~。顔赤くなってるけどぉ?」


私の反応にユミたちは益々楽しそうにからかってくる


「うぅ~違うんだもん!!」


その場は体育の更衣中だったということもあり、それだけ言い残すと私はさっさと部屋を飛び出していった



< 59 / 289 >

この作品をシェア

pagetop