タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
そんな夏期講習も終わり、私たちの残された高校行事も残り少なくなっていた

その1つの体育祭がやってきた

T高の体育祭は小規模だけれど盛り上がる

数少ない行事だからこそ、一行事入魂みたいな

クラスで大きな応援幕を作って、100m・200m・400m・1500m走、砲丸・ハンドボール投げ、走り高跳び・幅跳び、二人三脚、リレーに分かれて参加する

体育祭というか陸上記録会みたいな感じの方が、イメージとしては近かったりする

皆でワイワイやりながら準備を行って、私たちは受験を忘れてつかの間の休息を楽しんでいた




大会当日の朝

いつもより1時間遅く起きると、すでに太陽の日が眩しく輝いていた

服を着替え、朝食を済まし、髪をくくり、日焼け止めを塗った

体操服にお弁当、ペットボトルをカバンに詰め、まだバスがくるまで時間はあるがゆっくり家を出た

秋が近づき、少し寒くなってきたと思っていたが、あれは朝早かったからかもしれない

何だかこんな事をしみじみと考えている自分が可笑しい

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