タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
「どこって…。先生のとこに決まってんでしょ?しゃーしん!写真撮りに行くわよ!!」
「えっ!?っと、ちょっと、え~!!」


叫んでる間にリコに引っ張られ、皆には押され

皆からの生温かい視線を感じながら私はリコに連れ去られた


階段を上りきると、先生が建物の陰に入っていくのが見えた

2人で後を追うと、そこには自販があり、先生と数人の生徒が話していた


「ねぇ、観念してちゃんと写真は撮ってもらうから、帰ってくるまで待たない?」


さすがにあの人数の中を突っ込んでいく勇気のない私の発言は、これだけは受け入れられた

2人でフェンスにもたれかかって待っていると、少しして先生は出てきた

先に気づいた私が「あ…」と声を上げると、リコもそれに気づき『行ってこい』と目で合図される

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