Ri.Night +


「十夜は元々そんな寝てなさそう。壱は……もう寝てねぇのかも」

「やっぱり陽もそう思う!?そうだよね!壱さん寝てなさそうだよね!」

「──ふふっ。俺、そんな風に見えてるんだね」


「ぉわっ!?」
「い、壱!?」



音もなく突然現れた壱さんに、思わず抱き締め合ったあたし達。


最初幽霊かと思ったけど、足があるから直ぐにそうではないことに気付いた。


っていうかそんなのどうでも良くて。



「い、壱さん、」

「凛音ちゃん、俺、ちゃんと寝てるからね?ただ、十夜と一緒で五、六時間寝たらすっきりするんだよね」

「あ、寝てるんだ」

「ちょ、陽!──ごめんね、壱さん。変な事言って」

「ううん。あ、煌達ももう帰って来てるよ」

「え、そうなの!?」

「雷さんの所にご飯でも食べに行こうかって言ってて、それで凛音ちゃん達を呼びに来たんだ」

「そうだったんだ!」



だから壱さんと一緒にいる筈の十夜が此処に居ないんだね。


< 5 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop