Ri.Night +
「十夜は元々そんな寝てなさそう。壱は……もう寝てねぇのかも」
「やっぱり陽もそう思う!?そうだよね!壱さん寝てなさそうだよね!」
「──ふふっ。俺、そんな風に見えてるんだね」
「ぉわっ!?」
「い、壱!?」
音もなく突然現れた壱さんに、思わず抱き締め合ったあたし達。
最初幽霊かと思ったけど、足があるから直ぐにそうではないことに気付いた。
っていうかそんなのどうでも良くて。
「い、壱さん、」
「凛音ちゃん、俺、ちゃんと寝てるからね?ただ、十夜と一緒で五、六時間寝たらすっきりするんだよね」
「あ、寝てるんだ」
「ちょ、陽!──ごめんね、壱さん。変な事言って」
「ううん。あ、煌達ももう帰って来てるよ」
「え、そうなの!?」
「雷さんの所にご飯でも食べに行こうかって言ってて、それで凛音ちゃん達を呼びに来たんだ」
「そうだったんだ!」
だから壱さんと一緒にいる筈の十夜が此処に居ないんだね。