Ri.Night +


「十夜?」

「………」



どこからどう見ても寝ているようにしか見えないけど、手を握ってきたという事は起きているという事で。

凭れていた身体を起こして十夜の顔を覗き込んでるけど、やっぱり反応はない。



っていうかさ、いつも思うけど、なんで狸寝入りするわけ?

普通に起きてくれたらいいのに。


意味分かんない!




「十夜さーん。起ーきーてー」



反応がないのをいいことに、ツンツンと頬っぺたを突っついてみる。

けど、どんなに突いてもやっぱり反応はなくて。


あまりの反応の無さにムッとして、ムカついたから握られた手をサッと引っ込めて、ついでに十夜からも距離を取って窓際へと退散する。


そして、コツンと窓に頭を預けて、はぁ、と心の中で溜息をついた。

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