永遠片想い〜偽り女子の恋物語〜
すっぴんになったあたしを見て
咄嗟に敦からあたしを隠してくれた



バレないように



なんだかあたしの気持ちをわかっている。


そんな気がした。


「ごめん。」


学校の外に出た瞬間彼から出てきたのは謝罪の言葉。


いつもだったら何か言うんだけど
何も言えないのは救われたから。
あの場所からあたしを連れ出してくれたから。


「よーし!サイフだけは持ってきたし、小梅。俺に付き合え!」


「えーっ!」


ポケットから細長い財布を取り出し、太陽に掲げる三澤くん。


はぁ……この人ほんとに
無茶苦茶だ。


「ほら。小梅。行くぞ」


真っ直ぐにあたしの手を引いて
また走り出す。


行き先なんてあたしには
わからない。


なんであたし……


この人に着いて行ってるんだろう?


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