永遠片想い〜偽り女子の恋物語〜
「笑うなよ。」



「やっとこっち向いたね。」


がたっと椅子をあたしの方に向けて
言う敦に言ってみた。


「ずーっと目合わなかったし。」


「………」


彼はまた顔を背けた。


「何か嬉しいな。」


昨日まで泣いていたのに
あたしは我ながら単純だ。


「……!……あっそ。」


あれ。今、顔が赤くなった気が。


まあいい。


どんなに好きになってもあたしと
敦は交わうことはできないのだから


「敦。」


覚悟を決めたように彼の名前を呼ぶ


< 162 / 298 >

この作品をシェア

pagetop