永遠片想い〜偽り女子の恋物語〜
敦にはまだ涙、バレてない。


走ろう。


「菅田!」


走り出した。


敦には背を向けて……



彼があたしの名前を呼んだのは



多分気のせいだね。


あたしはほんとにバカ。


あんなにしつこくアピールして
化粧して……


普通に友達になって仲良くなれば
よかったよ……


あんなに嫌われなければ「紗江子」なんて作り出さなくても済んだのに。


バカ。バカ。バカ。


あたしのバカ。



忘れられるかな?
敦のこと。


いや、忘れなきゃ。



新しい恋に向けて……



どんっ!



その時、泣いていたあたしは前を見ていなくて誰かにぶつかった。


なんかデジャブだ。


「小梅?」


初めて会った時と同じ……


「どうした?」


優しくその人はあたしの涙に触れる。


「小梅」から「紗江子」になっていく





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