永遠片想い〜偽り女子の恋物語〜
「し……しょうがないなぁ。
わかったよ。じゃあ、あーんして?」


動揺がバレないようにレンゲにご飯を掬い、敦の口に持っていく。


「ん。んまい。やっぱお前、料理上手だな」


ちょっと待ってよ……


カシャン


あたしは渡されたレンゲを落としてしまった


「菅田?」


あたし……


「敦に料理なんて作ったことないよ?」


あたしは泣きそうになりながら言う。


「わりぃ。一緒に暮らしてる奴がさ…家族になるって言ってくれたのに
目も合わなくなって…」


「…………」


「あ、俺さ。母親いなくて紗江子って奴と暮らしてたんだけどさ何か親いるのがうらやましくてさ…
最後の日の夜ひでぇこと言っちまったんだ……「家族同然」って言ってくれた紗江子の両親に。
そんで紗江子と暮らしてたら辛くなるから俺…出て行ったんだ。」


敦はすごく寂しそうに笑って
あたしに話してくれた。


「菅田⁉︎」


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