永遠片想い〜偽り女子の恋物語〜
彼はぎょっとした顔になり、飛び起きた。



「どうした⁉︎」


あ……あたし、泣いてる……


「ごめん……ごめんね……
1人にさせちゃって……」


涙で化粧が落ちていく。


「紗江子」になっていく……


「ごめん……あたし、紗江子なの……」


「えっ……」


あたしの顔を見た瞬間、敦は
ショックを受けた顔になった。


「あたし……」


「菅田…どういうこと?」


また何か言おうと思ったら
敦が先に聞いてきた。


声はすごく低くて、震えていて……


「だから……あたし、紗江子なの。
菅田小梅でもあって……
敦のこと…騙してた。」


あたし達二人の間に静寂が流れる。


「ははっ…」

敦は笑う。
でもその声はとても冷めたような笑い


「俺のこと好きだから初めから騙してたんだ?」

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