永遠片想い〜偽り女子の恋物語〜
何も言えない。


事実だから……


もしあたしが小梅ってわかったら
敦は一緒に暮らしてくれないかなって思ったから


「じ……じゃあ、あたしが小梅だったら一緒に暮らしてくれた?」


「ありえねーな。だって俺、菅田がクラスで1番嫌いだったもん。」


そうだよね。
わかってたはずなのに……


いざ言われると涙が止まらない……


「でもな……」


「ほんとにごめん!敦のことが好きでちょっとお芝居しちゃった……
家でも嫌われたくなかったし…それに…」


「お母さん亡くなったって聞いて寂しい思いしてるのかなって思って……
もしバレたら家に帰るのかなって……」


「菅田……」


好きだから同居したいって思った。


でも、同時に家族にもなりたいって思ったの。


そのためには紗江子を演じなきゃいけないと思ったんだ。


「騙してごめん。もう二度と近づかないから……」


「菅田!」


あたしは鞄を持つとすごい勢いで部屋を飛び出した


敦の後ろから追ってくる声なんて無視して……


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