永遠片想い〜偽り女子の恋物語〜
「………」


なんでわかるの?
あたし、何にも言ってないのに。


「渡すわけないじゃん。
あたし敦に振られてるし、嫌われちゃったし。」


だけどこれ以上泣くわけにはいかないのであたしは嘘をつく。


「あまっ……」


不意に入れられたあたしが作ったトリュフ。


「嘘ついてんじゃねーよ。
強がってんのバレバレ。」


あれ?おかしーな。


塩でも入れたのかな?あたし。


だってこのトリュフしょっぱい……


だけどそれはあたしがまた泣いたからしょっぱく感じただけだった。


「無理すんな。」


三澤くんはいつもみたいに優しい指であたしの涙を拭ってくれる。


「ふ、え、ごめん……ね、……」


泣き続けるあたしを撫でてくれる三澤くん。


「渡さないなら俺にくれない?」


優しく聞いてくる三澤くんあたしは首を横に振った。


失恋しているけど敦のチョコは誰にも渡したくなかった




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