永遠片想い〜偽り女子の恋物語〜
「そうよ。こんなに不器用で優しい人なかなかいないもの!
お母さんも大賛成よ!それに……
架空の人物を作り出してまで傍にいたい相手なんでしょう?」


お母さんの頬に涙が伝う。
あたしもぐちゃぐちゃな顔で頷いた。


「うん……あたし……敦が好き……」


この気持ちは絶対変わらないって言い切れるよ。


「俺も……」


低い声が隣から聞こえてきて、ぎゅう……と繋がれている手が強くなる。


「小梅のこと初めは嫌いでした。
けど、同居してこいつの優しいところたくさん知りました。
もう俺にはこいつ以外ありえません!」


敦の本音にあたしの涙は崩壊寸前だ。


両親は優しく微笑み、あたし達の交際を認めてくれた。


この日は一生忘れられない日になるだろう。


あたし達はやっと1つの家族になれた気がした。


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