何度でも君に恋をする
「好き」

1.弱虫




私は中学生の頃、部活一筋だった。



「三井(みつい)、明日の試合頑張ろうな」



「そうだね。お疲れ様」



三井優奈。小学1年生の頃からバスケ一筋で



ショートカットだった私は



周りの男子から女子としては見られず



男子の扱いをされていたほどで



恋愛なんてこれっぽっちも向いてない



...つもりだった。



「本当に三井は女に見えないよなー」



「おかげで絡みやすくて助かる」



「はいはい、私も一応女ですよ」



だけど、私には好きな人がいた。



「いやー、俺は三井のこと女としてしか見えないけどなー」



「いやいや、お前何言ってんだよ(笑)」



橋本広大(こうだい)、サッカー部。



「だってどう見ても女じゃん。な、三井?」



「え、いや、そうだよ!女だわバーカ」



周りが男にしか見えないって言ってる中で



唯一私の事を女として見てくれていた彼は



サッカー部でも目立つ11番。



私の中では



“アイドル”だったのかもしれない。



彼が私のバスケ一筋の世界から



“恋”を教えてくれた。



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