東の空の金星
土曜日が休み。と言った三島先生と、マンションの前で待ち合わせ、

おにぎりに卵焼きと、チキンの照り焼きとポテトサラダを作って、
ブロッコリーとプチトマトを飾る。

まあ、私の料理の腕前はこんなものだ。

タッパーに詰め込み、
大和さんの分はお皿に盛って、冷蔵庫に入れ、
メモを置いておく。

「出かけて来ます。
お弁当を作ったので、よろしければどうぞ。」とだけ書いた。

どこに行くか知ったら、心配するかも知れない。

まあ、しないかもしれないけどね…。



「シマちゃん。」と嬉しそうにマンションの前で手を振る三島先生を見つける。

「こんなに近くに住んでたんですね。」

「これってお弁当?」と私が持ったトートバッグを受け取る。

「おにぎりです。いつもパンだから…。」

「ここの7階だよ。」

とマンションの前の階段を上がり、オートロックの鍵を開け、エントランスに入る。



「シマちゃん、どうしたの?
僕の家に来たいなんて…」と言いながらエレベーターに一緒に乗る。

「単に、ここのお部屋への興味です。」と笑うと、

「そんな事だろうと思った。」とやれやれとため息をついた。
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