東の空の金星
一緒に朝食を食べ終え、
大和さんはコーヒーを飲みながら、ノートパソコンを広げ、
ここで出来る仕事を始めたようだ。
私も制服に着替え、薄く化粧をして芳江さんを待ちながら、キッチンを片付ける。
なんだかドキドキする。
家族に恋人を紹介する気分ってこういうものだろうか?
私は18歳で家を出たので、
恋人を家族に紹介するっていう経験はしていない。
「おはようございます。」
と芳江さんはいつもの様子で足早に店を通り抜けようとして、
「大和さん、仕事はどうしたんですか?」とまだ、家にいる大和さんに足を止める。
「芳江さんに…話があって…」
と大和さんが立ち上がって、キッチンで作業していた私の隣に立つと、
「…なるほど。お付き合いの報告ですか?」と微笑んで私達の前に立った。
「な、なんでわかったんですか?!」と私が驚くと、
「いつまでも大和さんがグズグズしているから、
あの軽い三島先生にシマさんをさらわれるかとヒヤヒヤしていました。」と少し笑った。
「…芳江さんには敵わないなあ。」と大和さんが頭をかくと、
「大和さん、恋人になったからといって安心してはダメですよ。
サッサと、2階をリフォームして一緒に住んで、婚姻届を出してしまわないと…大和さんは随分とオジサンなんですから、次はありませんよ。
藤原の奥様にも言っておかないと…」とハキハキ言って、歩き出す。
「よ、芳江さん、私達まだ結婚すると決まったわけでは…」と芳江さんを追いかけると、
「大和さん、シマさん、わかりましたね。」
と振り向いて、私をギュッと抱きしめ、
「私は最初からふたりがお似合いだって思っていたんです。」
と芳江さんは少し潤んだ目元を拭いながら笑う。
「…逃げられないように頑張ります。」と大和さんは芳江さんに笑いかける。
「さ、みなさんオトナなんですから、仕事をしてください。」
と芳江さんはスタスタと控え室に入って行った。
私と大和さんは顔を見合わせ、微笑み合う。
とりあえず、怒られなかったけど、
藤原の奥さんって…
大和さんのお母さんの事だよねえ…と
ちょっと考えた。
大和さんはコーヒーを飲みながら、ノートパソコンを広げ、
ここで出来る仕事を始めたようだ。
私も制服に着替え、薄く化粧をして芳江さんを待ちながら、キッチンを片付ける。
なんだかドキドキする。
家族に恋人を紹介する気分ってこういうものだろうか?
私は18歳で家を出たので、
恋人を家族に紹介するっていう経験はしていない。
「おはようございます。」
と芳江さんはいつもの様子で足早に店を通り抜けようとして、
「大和さん、仕事はどうしたんですか?」とまだ、家にいる大和さんに足を止める。
「芳江さんに…話があって…」
と大和さんが立ち上がって、キッチンで作業していた私の隣に立つと、
「…なるほど。お付き合いの報告ですか?」と微笑んで私達の前に立った。
「な、なんでわかったんですか?!」と私が驚くと、
「いつまでも大和さんがグズグズしているから、
あの軽い三島先生にシマさんをさらわれるかとヒヤヒヤしていました。」と少し笑った。
「…芳江さんには敵わないなあ。」と大和さんが頭をかくと、
「大和さん、恋人になったからといって安心してはダメですよ。
サッサと、2階をリフォームして一緒に住んで、婚姻届を出してしまわないと…大和さんは随分とオジサンなんですから、次はありませんよ。
藤原の奥様にも言っておかないと…」とハキハキ言って、歩き出す。
「よ、芳江さん、私達まだ結婚すると決まったわけでは…」と芳江さんを追いかけると、
「大和さん、シマさん、わかりましたね。」
と振り向いて、私をギュッと抱きしめ、
「私は最初からふたりがお似合いだって思っていたんです。」
と芳江さんは少し潤んだ目元を拭いながら笑う。
「…逃げられないように頑張ります。」と大和さんは芳江さんに笑いかける。
「さ、みなさんオトナなんですから、仕事をしてください。」
と芳江さんはスタスタと控え室に入って行った。
私と大和さんは顔を見合わせ、微笑み合う。
とりあえず、怒られなかったけど、
藤原の奥さんって…
大和さんのお母さんの事だよねえ…と
ちょっと考えた。