東の空の金星
3月最後の週末。
桜が綺麗に咲いている。
ゆっくり抱き合って、遅い朝食をとりながら、
「大和さん、指輪の準備は出来ましたか?」と聞いた。
「もちろん。…シマの準備が出来たらいつでもプロポーズ出来るように
用意はしてあるけど」と少し驚いた顔をする。
「大和さん、お願いがあります。
私は賑やかな家庭を持つのが夢です。
もちろん叶わない場合もあるのはわかっていますけど…。
大和さんとの子ども。
産んでもいいですか?
大和さんが望まなければ、…」と言っている途中で、大和さんが大粒の涙を落とした。
…大袈裟な人だ。
「俺の子どもを産んでくれるのか?
もう、諦めてたんだ。
俺はきっと先にいなくなるから
シマに苦労をかけるのはわかってるし…」
「いや、一緒に苦労するでしょ。何言ってるんですか?
大和さんの方が大変でしょ。
私は仕事を辞めないからイクメンになってもらわないと困るし、
子供の運動会とか、頑張ってもらわないと…。」
と言うと、そうか、そうだよな。涙をぐいぐい拭い、
「早い方がいいな。シマ、今から妊活に入るぞ。」と立ち上がって、私の手を掴む。
ちょっと待て。
「気が早いな。先にプロポーズして、
うちの実家に挨拶が終わってからにしてください。」と言うと、
「わかった。シマ、今から軽井沢行くぞ。電話しとけ。」と言いながら、大股で控え室に入って行き、2階に続く階段をバタバタ上がって行く音がした。
やれやれ。
桜が綺麗に咲いている。
ゆっくり抱き合って、遅い朝食をとりながら、
「大和さん、指輪の準備は出来ましたか?」と聞いた。
「もちろん。…シマの準備が出来たらいつでもプロポーズ出来るように
用意はしてあるけど」と少し驚いた顔をする。
「大和さん、お願いがあります。
私は賑やかな家庭を持つのが夢です。
もちろん叶わない場合もあるのはわかっていますけど…。
大和さんとの子ども。
産んでもいいですか?
大和さんが望まなければ、…」と言っている途中で、大和さんが大粒の涙を落とした。
…大袈裟な人だ。
「俺の子どもを産んでくれるのか?
もう、諦めてたんだ。
俺はきっと先にいなくなるから
シマに苦労をかけるのはわかってるし…」
「いや、一緒に苦労するでしょ。何言ってるんですか?
大和さんの方が大変でしょ。
私は仕事を辞めないからイクメンになってもらわないと困るし、
子供の運動会とか、頑張ってもらわないと…。」
と言うと、そうか、そうだよな。涙をぐいぐい拭い、
「早い方がいいな。シマ、今から妊活に入るぞ。」と立ち上がって、私の手を掴む。
ちょっと待て。
「気が早いな。先にプロポーズして、
うちの実家に挨拶が終わってからにしてください。」と言うと、
「わかった。シマ、今から軽井沢行くぞ。電話しとけ。」と言いながら、大股で控え室に入って行き、2階に続く階段をバタバタ上がって行く音がした。
やれやれ。